南の島のブログ

東南アジア在住のおっさんの戯言

フィリピンでのカーライフ第3章⑧

雨季真っ盛りのフィリピンでは、概ね毎日雨が降ります。特に土砂降りの休日は外出する予定をいれずに、ひたすら引きこもってビールを飲みながらボロいクルマの整備の構想を練るのがオトナとしての優雅な振る舞いだと信じています。

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皆さんこんにちは。フィリピン駐在員のwanです。

さて、先週末のオイル交換の時に発覚した、オイルパンのドレンプラグの雌ネジがサヨウナラ状態だった件について、色々と調べて方針検討をしてみました。

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まずM14x1.5の雌ネジをM16x1.5に拡大してちゃんとトルクが掛かるのか。ネジの寸法規格を基に考えます。要はM14x1.5の新品ドレンプラグを使っても既にトルクが掛からない現状だと、オイルパンにM14x1.5の雄ネジの外径とほぼ同じ寸法の下穴が開いている状態です。ここに新たにM16x1.5のネジを切れるのか(雌ネジ内径の規格値が下穴より小さかったら正しいネジは作れませんし、雌ネジ有効径の規格値が下穴より小さかったら、トルクを掛けるとすぐにネジが死にます。)を調べてみます。

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M14x1.5の雄ネジ外径は14.000、これが現状オイルパンに開いている穴(もはやネジとは呼べないレベル)、作りたいM16x1.5の雌ネジ内径は14.376なので、ギリギリですが正しく作業をすれば何とかちゃんとしたネジが作れそうです。ちなみにM16x1.5の雌ネジ有効径は15.026なので、最悪下穴が14.8mmくらいまで拡がっていても、何とかトルクが掛かるレベルでしょうか。

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次に、オイルパン脱着のリスクを考えます。ディーラーに持ち込むと作業のクオリティはある程度信用出来ますが、新品部品取り寄せ、交換で大変な時間と高額請求が見込まれます。

いつものメカのお兄ちゃんがいるような町工場に持ち込んで努力と工夫で何とかする場合は、「作業のクオリティに期待、依存しない」アプローチで修理方針と作業方法を決めていく方がフィリピンではリスクが低いです。

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という訳で、町工場でのオイルパン脱着は出来る事なら避けたい。おそらく正規のクランクケースとオイルパンの間のガスケット(どんな物だか分解してみないとわかりませんが)も入手できず、オイルパンの締め付けトルク管理も出来ないので、かなり運任せの作業になりそうだから。。。

では車上で(オイルパンがエンジンに付いた状態で)ネジの加工が出来るか。想定されるリスクとしては、オイルパン内にネジを加工した際の切粉が残留する可能性があることと、最悪ネジの加工ミスでネジが斜めに切れてしまうと、ドレンプラグ側のシールが効かずにオイル漏れの原因になる事でしょうか。

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潤滑系はあまり詳しくないので、念の為おさらいをしてみました。アメリカ製の大衆車のトップグレードじゃないエンジンなので、まぁ全流フィルター通過のウェットサンプ式(大雑把には上のイラストの様な方式)でほぼ間違いないでしょうから、多少切粉がオイルパン内に入ってもストレーナー、フィルターを通過してから潤滑系に回るので、次のオイル交換、フィルター交換で概ね除去出来そうです。


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車上でネジを切り直すという事は、ネジの加工精度はメカのお兄ちゃんの腕任せになっちゃいますが、一応ネジ山加工の経験と自信があるかをお兄ちゃんに確認して、出来るだけ使いやすそうな工具を支給してがんばってもらうことにしました。

まぁ何事もすんなりとはいかないフィリピンの中古車生活ですが、焦らずのんびりと事前調査と工夫で乗り越えていきたいですね(笑)。

 

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