南の島のブログ

東南アジア在住のおっさんの戯言

タールボルケーノの噴火

 さて、1/12の午後に火山性水蒸気爆発を起こして灰が降り注いでいるフィリピンのルソン島南部地域ですが、今のところ最悪の状態にはなっておらず、先週後半以降は灰だらけではありながらも少しずつ日常生活に戻ろうとしているように見受けられます。

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あまりフィリピンの地理に詳しく無い方のために、簡単に問題のタール火山の場所を説明しておくと、ルソン島南部にあるマニラからさらに真南に降ったタガイタイというカルデラ湖の景色が有名な観光地にあり、距離は東京から富士山よりはちょっと近いくらいです。

つまり今回の噴火はマニラ首都圏からはそこそこ離れた場所で起こった為、フィリピンの国としての機能や人口密集地での人的被害には直接繋がらなかった訳なのですが、一方でマニラの南側は多くの工業団地が有り、日系や中国韓国欧米系の多くの外資系企業の工場が入居している地域のため、自動車や家電OAなどのサプライチェーンに影響が出る懸念が広がっています。

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で、不良駐在員が勤務するのがこのタガイタイから20kmほど東側の地域に位置する工業団地の一つでして、風向きによっては火山灰が結構降り注いでいます。

1番酷かった噴火翌日の午前中、噴火から約18時間後で、5mmから15mmくらいの灰があらゆるところに降り積もっていました。

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私は降灰に遭うのは初めてだったのですが、降雪と違って当然ですが溶けない、風が吹けば再び舞い上がる、排水溝に多量に流れると詰まるという大変厄介な代物だという事を思い知りました。

粒子の大きさも数ミクロンの微細な物からかなり荒い砂に近い物まで様々な大きさが混ざっており、小さな隙間やフィルターを通過して屋内にも侵入してきます。

比較的ダストに対しては寛容な製品を扱っている勤務先の工場ですら、製品へのダスト付着やエアコン室外機の故障を避けるために操業停止して工場敷地内の火山灰の除去作業やエアコンの清掃を行う羽目になってしまいました。

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復旧作業が一段落し、次に問題になるのが通常稼働に戻そうにも、工場の従業員のうち15%程は強制避難エリアに住んでおり、帰宅出来ない為避難所や親戚友人宅に仮住まいしている状況で、食べ物飲み物や衣料品も充分とは言いがたい状況にあるとの事、人によっては仕事に行くどころでは無い状況だそうです。

来週はその辺の従業員のサポート関連と並行して、操業停止による遅れを取り戻す算段などでまた忙しくなりそうです。

 何れにしても人的被害がほとんど出ておらず、噴火も致命的な大爆発に至らなかった事に感謝しつつ、少しでも早く避難している人たちが帰宅出来る事を祈り、またサポートしていきたいと思っています。

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